しりかかえ(王子神社)


王子神社 宮座行事


尻かかえぐんちの図    佐野 至氏 筆


しりかかえぐんち


 尻かかえぐんちは王子宮で行われる祭事のひとつ。宮座行事の最後に、御幣を持った神官を担いで拝殿を三度廻るところからこう呼ばれる。 
 遷宮の際、ご神体を担いで移したという由来にもとづくものという。

下浦邑
 高く捧げた御幣がゆれる
ワッショイ、ワッショイ、
「尻かかえ」。お神酒を飲
んで気合をいれて。
当番お屋敷新米つくり。
夜明けに総代おごく炊き。

 座元は朝からしめ造り。
はるかに望む高良の社。
ここは筑前国夜須郡、
みんな仲良し下浦邑、
王子宮。

1019目に行われる秋祭り「しりかかえくんち」は、王子神杜最大の祭りです。宮原の地から本宮杜へ、そして宮崎の地(現在地)へ御神体をかついできたことに由来します。
 神事、直会(なおらい)、当渡(とわたし)の後に拝殿で御神酒を戴き、御幣を頭上に高く捧げた神官の腰やしりを抱えて「ワッショイ、ワッショイ」のかけ声とともに、拝殿の中をまわります。神官が終わると氏子総代、区会長、隣組長、氏子が順次神官に代わって御幣を受け継ぎ、同じ動作を繰り返します。
 昔は「みこしかかえ」といったものが、今では詑って「しりかかえ」と呼ばれるようになったと言われています。



次へ