第三十二番  金鏡山  円通寺  曹洞宗
八女郡広川町新代川瀬909

0943-32-0906

    
 円通寺の境内は千年以上も昔に、空也上人が訪れたと伝えられている観音聖地で、かっては救世堂と呼ばれるお堂があった。空也上人は夢のお告げにより阿弥陀像を刻んで安置し、お寺の名前も広隆寺と改めた。ところが広隆寺は戦火にかかり、観音堂を残すのみとなった。そして今から約四百年前の天正八年、三井郡の千光寺四世、諦庵和尚の弟子である金龍和尚が再建を果たし、円通寺と号した。
 本尊の聖観音は天文十八年(1549)、田所右近之助が国事成就のため、大檀那津久見鑑清と役人竹屋新左衛門清秀の命を受け、僧士診に刻ませたものと伝えられ、十三年に一度だけご開帳される秘仏である。この観音さまは、昔は指が一本かけており「指切観音」と呼ばれていた。その縁起は「あるとき、聖観音は盗まれたことがあり、泥棒は観音像を抱え数間走ったが、だんだん重くなってしかたがないので川瀬天満宮の堀に沈めてしまった。数日後、農夫がそこを通りかかると水の中が光っているので、掘り出してみると盗まれた観音さまだった。掘り出すときに鍬か何かが観音さまに当たったらしく、足の指が一本切れており、いくら探しても見つからなかった」と書かれている。

 ♪ご詠歌♪  願わくは ただまろかれと 頼みなば ちぎり川瀬に かよふ水音

山門

入り口

鐘と禅宗の彫物

観音堂の内部


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背振山頂に祭ってある
弁財天様の分身です。
五重三塔 
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観音像


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