山中の薬草
四五、山中の薬草

霊山高良には薬草の名高い者が相当にある。併し是等が濫採によって次第に失われてきた事は誠に残念であると云わねばならぬ。古今書中に載せられた其の重なものを掲げる事にする。

白木   品質上品にして高良白木の名あり。

山薑   ハナメウガ、高良薑、根は紅色を帯びる。

竹節人参 黄精、オホエミナルコユリ。

萎どく(エミクサ)、仙茅(キンバイソウ)、白頭翁(オキナグサ)、苦参(クララ)、淡竹葉 サゝクサ、山中処々に在りし中谷最も多し。

五味子(サネカツラ)、小翹喬(ヲトキリソウ)、当帰(オホセリ)、積雪草(ツボクサカキドホシ)。

麦門冬(ヤマスゲ)、ヤマスゲには、大小二種有り、大をヤマスゲ又ヤブラシと云い、小をゼウガヒゲと云う、如何にや。罌麦(トマリグサ、カハラナデシコ、トコナツ)。虎杖(イタドリ)、じん艸(カリヤス)、葛(クズ)、茜艸(アカネ)薯諸(ヤマイモ)、東風菜(シラヤマギク)、茯苓(マツホド)、杜衡(サイシン、アツヒ、フタリシヅカ)、銀線艸(ヒトリシヅカ)、貫衆(ヤマソテツ)、桔梗(アリノヒフキ)、百脉根(ミヤコバナ)、玄参(マコグサ)、韮葉紫胡(アマアカナ、ミシマサイコ)、杜當帰(ウド)、外麻(トリノアシクサ)、延胡索(ツブテ)、山慈姑(ムキクワイ)、龍瞻(ツルリンドウ。ハルリンドウ)、白薇(フチワラビ)、白前(スゝメノヲコケ)、釵子股(ボウラン)、瑞香(ヂンチフゲ)、天名精(ヤブタバコ)、土牛膝(フシダカ)、鴨跖草(オモヒグサ)、(国郡志)(以上「筑後第二巻、第三巻」高良山雑記に拠る)

吉見満花               北村季吟

錦とも云はば限りもありなまし よしみむ人は花とのみ見よ

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